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砂崎はその後、カラーバス効果をもう少し自分なりに調べて、大橋にも意見を聞きながら卒論の題材にならないか考えてみるとのことだった。
「わかった。今週は、明後日にもう1コマ卒論特講あるけど、一応研究室に顔さえ出してくれたら、その時間を調べる時間にあててくれたらいいから」
俺は不意を突かれて、変に自意識過剰な態度や言葉を発してしまった自分に消沈していた。
砂崎は早速手帳に何か記しているようで、マイペースにカフェオレを飲みながら過ごしていた。
「ところで、お前なんでさっき不機嫌そうにしてたの?」
今の様子と比べるとより違いが分かる。
「私、朝起きるの苦手なので、午前中の授業は極力取りたくないんです」
「それだけ?」
「はい、それだけ」
だとしたら立派な身分だなと思いつつ、学生時代にドカ食いして永遠に寝ていた自分を思い出すと、分からなくもなかった。
「ところで、純さんところではどのくらい働いてるの?」
「大体水曜日は休んで他の平日は入ってるから、週4ぐらいです」
夜の方が活動的なら、夜桜に行って会う方が様子が知れるかもしれない。
「じゃあ近いうち行くよ」
営業スマイルを見せて、しおらしく頷いた。
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