冬休み前

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 でも俺はまだ自分でも腑に落ちていないことを素直に打ち明けた。 「これが恋愛感情なのかは正直よく分かりません。短期間のうちの話ですし、飛躍し過ぎているようにも思います」  相手が自分の行く末を握る教授であることは分かりつつも、ここまで話しておいて中途半端では終わらせられなかった。 「先生は、学生なんて俺たちの思うようにならないとも言ってましたし」  俺がマンションで砂崎を抱きしめた時、その瞬間、無性に彼女のことを愛おしく感じたのは事実だが、自分の恋人にしたいと願っていたわけではなかった。  豊橋先生は深くため息をついた。顎のあたりを数度触り、黙って考えている。 「俺自身、余計なことをしてしまったと思っています。講師と学生でいられなくなる可能性を微塵も考えてなかったんで」 「で、お前はどうしたいと思ってる?」  結論を求められていると思った。 「もし叶うなら、もう少し彼女に向き合ってみたいとは思います。彼女を傷つけないためにも」  俺が最終的に学生に振り回されて辟易することになったとしても、それは自業自得の世界だと思える。
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