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「お兄ちゃん!!」
「ただいま」
「……お、お邪魔します…」
結構立派な家に入ると二階の窓から顔を出していた女の子が階段から元気に降りてくる。
そのまま私は美人さんが着替え終わるまでリビングで待たされることになった。
リビングのソファーはふかふかしていて座っていて心地良い。
すると私の隣に女の子――絵梨佳ちゃんが座ってくる。
頭の上の方で結んだ二つ結びの髪が絵梨佳ちゃんが動くごとに揺れた。
……うん、凄く可愛い。
「お姉ちゃんはカナタお兄ちゃんの彼女さん?」
カナタお兄ちゃん、多分美人さんのことかな?
なるほど、カナタさんって名前なのか。
………。
いやいや、注目するところが違った。
「ち、違うよ!?私は彼女さんじゃないです!!」
「そうなの?」
「はい」
「じゃあ、何で一緒にいたの?」
絵梨佳ちゃんの質問に思わず押し黙った。
理由は分かっている。
私が男子生徒達に絡まれているところを助けてもらったから一緒にいた。
ただ、それをこんな小さな女の子に話してしまって良いものなのかな?
「どうして~?」
「あの、えっと……」
「――…友達だからだよ」
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