出会いは路地裏

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声が、足音が後ろから迫ってくる。 冒頭でも言ったように今現在進行形で困った状況に追いやられてしまった高校二年生の夏のある日。 ただ家に帰ったら本を読もうと思っていただけなのに。 ただそれだけなのにいつの間にか三人の他校の男子生徒に追われている。 神様、これは何の虐めですか? 「(兎に角何処かでまいて家に帰らないと…!!)」 さすがに家まで入ってはこないだろう。 家には大人もいるし、何より勝手に入った時点でそれは不法侵入だ。 ちらりと左右を確認すれば、車一台分位の幅の家と家の間の道――所謂路地裏があった。 其処に入って道を抜ければ、いつもとは違う道からだけれど家にはなんとか帰れるはずだ。 「(早くしないと追い付かれる…!!)」 全力で走って路地裏に入る。 見れば丁度歩いている人は誰もいない。 「(これなら…!!)」 大丈夫だと思いっきり路地裏を走った。 ――しかし、私の足は路地裏を抜ける3m手前で停止した。
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