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「見ぃつけた」
「!!」
目の前に現れたのは私を追いかけてくる男子生徒の一人。
慌てて戻ろうとすればそっちには他の二人。
完全に挟み撃ち。
逃げようにも路地裏であるがために逃げれる気がしない。
「逃げるなんて酷いな~?」
「ほら、一緒に遊ぼうよ…!!」
「(い、いや……!!)」
捕まって、それでどうなるのか想像出来ない。
でも確かなことは、ただ『遊ぶ』で終わる気がしないということだけ。
そんな風に考えている間にも彼らは私に近づいてくる。
後退りして距離をとろうとするけれど此処は路地裏。
すぐに背中に壁が当たってこれ以上距離をとれなくなった。
「はい、ゲームオーバー!!」
突き出される男子生徒の一人の手は私の顔のすぐ近くの壁へ。
ニヤリと笑う男子生徒達にゾッと鳥肌が立った。
しゃがみ込んでしまいそうなくらい足がガクガクと震える。
怖い。
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い……!!
声がうまく出せない。
喉だけカラカラに干上がってしまったみたいだ。
体が、言うことを全然きいてくれない。
「(来ないで、触ら、ないで……!!)」
「楽しいことしようぜぇ~?」
「(助けて――――…!!)」
思わず目をつぶりかけた時だった。
私の側に風が吹いた。
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