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「(お兄ちゃんって……まさかこの男子生徒さん達の誰かの妹さん!?)」
だとしたら大問題だ。
何故なら彼らは全員一人残らず気絶してしまっている。
それにここに家があるということは親だっているはず。
警察沙汰になったらどうしよう!?
「――絵梨佳(エリカ)、あんまり窓から出るなよ。落ちる」
「大丈夫だよ!!」
「(え……?)」
何か、会話が成立してる?
横を見ると美人さんと女の子が会話しているのが見えた。
…………。
さっき女の子は『お兄ちゃん』と呼んでいて。
それで会話しているのがこの美人さん。
………もしかして。
「……お、男の方なん、ですか…?」
私なんかよりも綺麗で。
まるで外国の高級なお人形のような美人さんが。
………男の方?
「え?あ、はい」
そう言ってあっさり答える美人さんを私は思わずガン見してしまった。
確かに女の人にしてはハスキーな声だとは思っていました。
一人で三人相手にして圧勝するなんて強すぎるとも思っていましたよ。
でも、こんなに見事にゴスロリの服を着こなした人がまさか男の方だと誰が思うんですか!?
「あー、……とりあえず家に」
「着替えてから送りますんで」と言われて、私はゆっくりと首を縦に振った。
……衝撃的過ぎて声なんて出せなかった。
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