第一章

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「何故此ほどの者が今までギルドに属していなかったのか…」 不思議そうに呟く王ことカーネリウス。馬鹿にしたような鼻につく話し方ではなくなった。 「私の故郷にギルドがなかっただけですわ。陛下」 私の答えにうんうんと頷く。 「確かに、我が国にはギルドはないな。これは失礼した」 …嘘は言ってないけど、カーネリウスは私がこの国の金持ちだと思ったよう。好都合だからいいけど。 「何故、今になって?」 「自分の力を試したいと思ったのです。ですが、私は人の下で働くなど耐えられませんわ」 すらすらと嘘とも本当ともつかない言葉が出てくる。 あれだけ舞台こなせば緊張なんかしなくなるようだ。 「ハッハッハ…我が国の民ならそうであろうな。気に入ったぞ。ギルドでも何でも造るが良い」
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