退屈な少女

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満月の日がやってきた。 現在、時間は夜11時15分と数十秒…。 消灯時間は過ぎて、さっき看護婦さんの見回りは終わった。次の見回りまであと数時間はある。 私はカーディガンを羽織りこっそり部屋を抜け出した。 足音を立てず… 息を潜め… ゆっくりと確実に… ナースステーションの前を見えないようにしゃがんで通り過ぎる。 開けたままのドアの中を少し覗いて確認… あ、今日のステーションの担当は婦長さんだ…。 何かとカンがいいし、怒ったら鬼のように怖いから絶対に失敗できないなぁ…(汗) …………………。 ほっ…、どうにか見つからず通り過ぎた。 次はエレベーターを使うとばれちゃうから非常階段へ。 私のいる階は一番上の階だから踊場ひとつ過ぎればすぐに屋上に出れる。 だけど、体力のない私にはちょっとキツい… ゆっくりと階段を登り屋上へ。 扉を開けると春独特の柔らかい風。目の前には大きな満月。 うん、ホットケーキ食べたくなってきた…w .
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