23人が本棚に入れています
本棚に追加
「アリス……☆僕をアリスの『武器』にして………?僕の主人≪エンプロイア≫になって……?」
白うさぎ君は私の手をとって悲しそうな顔で言う。
まるで「助けて」とうったえかけているような目が私を見る。
「『武器』って何………?」
「武器って言うのは僕みたいな魂を狩れる者の事っ☆
死神は、一人で魂を狩るんじゃないんだ☆
『武器』を使って狩る☆ 」
つまり私にはいまその「武器」になる人がいないんだね。
なら白うさぎ君に「武器」になってもらおうかな…
「白うさぎ君がいいなら私、君を武器にする」
その瞬間悲しそうだった彼の顔がパアッと満面の笑顔に変わった。
「アリス…………!!アリスありがとう☆これで僕は一人じゃなくなる!!『孤独の白うさぎ』なんかじゃなくなるっ☆!!さぁアリス!!早く契約しよう☆!!」
がさがさ彼は懐中時計型のポシェットをあさり、金色の鎖がついた錠を出す。
「さぁアリス☆これ!!…………っ!?」
ザシュッ
彼が錠を開いた時だった。どこからかやってきたピンクと紫のパーカーを着た18歳くらいの猫耳少年に白うさぎ君の脚は切り裂かれた。
真っ赤な血が舞い、チリンッとあの時の鈴の音が聞こえた。
「主人無し≪エンプロイア ウィザウト≫の孤独白うさぎ…………。僕の主人≪エンプロイア≫に何やってる…。」
「チェ………シャ猫……………!!!チェシャ猫だって主人無し≪エンプロイア ウィザウト≫のくせに!! アリスは僕のだ!
アリスは僕の主人≪エンプロイア≫だっ!!」
意味がわからなくなってきた…。
主人≪エンプロイア≫?
主人無し≪エンプロイア ウィザウト≫?
私は誰の主人≪エンプロイア≫?
それからこの人は…チェシャ猫(?)君は私を突き落とした人じゃない???
そんな事を考えていると、チェシャ猫という少年が白うさぎ君の背中を、黒い大きな作り物であろう爪で切り裂いた。
最初のコメントを投稿しよう!