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そして、その度に母は私に【ごめんね。私の為に言ってくれたんだよね。】と謝った。
その後も弟を殺しそうになったり、母親を追いかけては暴力に出たりで、何度も隣の市に住む母の妹夫婦の家に避難させてもらったり、警察沙汰になったりを繰り返した。
でも、父親は家の外に出れば、鬼だった顔が仏様のようになり、
周りの人達は危機感を持たなかったり、想像がつかないと、信用をしてくれなかったりした。
ある時から、会社の事務所に、皆が見えるように離婚届が置かれるようになった。
置いたのは父親だ。
最近では
「何でお前達は俺を苦しめるんだ!」
母親に対しては、
「お前は俺の会社を乗っ取ろうとしている!!」
こればかり言うようになっていた。
そして、日曜日の会社が休みの日。
私は末っ子の尚貴(なおたか)当時中学一年の弟の勉強をリビングで見ていた。
すると、玄関から慌てて母が入ってきて、続けて父が入ってきた。
「キャー!止めて!!」
「待て!このやろー!!」
慌てて二階に逃げる母親と、鬼のような顔をして追いかける父親。
私は慌てて二階に走った。
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