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二階に上ると、廊下の一番奥。
長男、龍二(りゅうじ)の部屋と、次男、三男の淳(じゅん)と尚貴(なおたか)の部屋の前で、母と父が向かい合い、間に龍二が入っていた。
慌てて私も母の横につく。
父親は罵声を浴びせ、離れていった。
「お母さん大丈夫?」
泣いている母に声をかけると、母は泣きながら頷くだけ。
すると、父親が戻ってきて
「良いかお前ら!この女は俺に死ねって言ってんだ!!会社も俺から奪うつもりなんだ!!その女を信用したら痛い目みるぞ!!」
そう怒鳴って家を出ていった。
もちろん母は、父に死んで欲しいとも思っていないし、言った事もない。
会社を乗っとるつもりも、さらさらなかった。
泣いている母を連れて、私と龍二はリビングに入った。
尚貴は隣の部屋で何もなかったかのようにゲームをしていた。
母がテーブルの椅子に座り、龍二は母の横に。私は母と向かい合わせで座った。
「ごめんね。お母さんのせいで。あんた達は、お父さんに何も言っちゃ駄目だよ。」
泣きながら母は、また謝った。
いつも泣きながら母は謝るんだ。何も悪い事してないのに。
もう限界だった。
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