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「お母さん、私達の事を思うなら、離婚して。」
「俺も離婚してほしい。」
私は続けた。
「お母さん、前に言ったよね?私が何で離婚しないの?しちゃえば良いのに。って。そしたら、世間の目があるとか、私達の将来に片親だと不利になるとか。私達の為って言ってたけど、本当に私達の為にって思うなら、私達の為に離婚して。」
父親が母親に暴言吐くのも、暴力振るうのも見たくない。
自分や弟が暴力振るわれるのも嫌。
警察沙汰や、叔母夫婦の家に逃げるのも嫌。
加害者なのに被害者面する父が嫌。
自分の家なのに、居心地の悪い、この空間も嫌。
毎日、毎日、悔しい思いをして、部屋で1人泣くのも嫌だった。
母は頷いた。
「お母さん、あんた達の為にって頑張ってきたつもりだったけど、私達の事を思うなら、離婚して。って言われて、何か吹っ切れたよ。・・・離婚して良い?」
「もちろんだよ!さっきも言ったけど、私達の事を思うなら、離婚して。私も龍二も淳も尚貴も、皆、お母さんの見方だからね。」
「ありがとう。」
「お母さん。」
泣き出した母に、龍二が肩をポンポンと優しく叩いた。
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