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そして、出発の日。
私は元交際相手に誘われ会う為に、準備して部屋を出て、階段を降りると、玄関に父がいた。
父は私に気付くと、
「悪かったな。」
と一言。
「何が?」
と返事をすると、父は何も言わず家を出ていった。
龍二は叔母夫婦の家に居候させてもらう事になり、友達の家を転々としていた淳は、父を心配して残り、母と私と尚貴の三人は、祖父母の家にお世話になる事になった。
こうして、祖父母の家に住む事になったのだ。
そして、その夜。母は祖母に何か言われたのか、口論をして、自分のベッドで泣いていた。
「お母さん、大丈夫?」
「ごめんね。大丈夫だよ。・・・ただね、お母さん、・・・本当にお父さんの事愛してたの。あんなに怖くなっちゃったけど、最初の頃は、凄く優しかったの。だから、元のお父さんに戻ってくれるって信じて・・・。浮気も沢山されたけど、暴力だっていっぱいされたけど・・・。きっとお母さんのせいだよね。お父さんがね、お前のせいで俺は不幸になった!って言ったの。だから、全部お母さんが悪いんだよね。」
母はひたすら泣いていた。
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