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母が行ってから初めての朝がきた。
「あやかー!手伝ってくれやー!」
「あいねー!」
朝食の準備をして、食べた。
「尚は支度終わったか?」
「うん。」
お婆ちゃんの問いに答える尚貴。
お婆ちゃんは、尚貴をあまり可愛く思っていない。
それを尚貴も知っている。
兄弟で、一番最初に産まれた初孫の私。
私と次男の淳は母親似で、小さい頃から、お婆ちゃんに可愛がられていたが、長男の龍二と三男の尚貴は、父親似のせいか、私や淳みたいな可愛がられ方はしなかった。
むしろ怖かった。
「遅刻するじゃないよ!?隣の大君はもう出てってるよ!」
「うん。」
「ちゃんとするさよ?遅刻なんてされたら、婆ちゃん恥ずかしいでね?」
「うん。」
「お爺さんとお婆ちゃんに恥ずかしい思いさせんどくれよ!」
「うん。」
ひたすら尚貴を苛めると、次は母の名前を出してきた。
「たく、みさえもみさえだよ。あれじゃぁ、まるで私が悪いみたいじゃないの。ねーじぃさん?」
お爺ちゃんは何も言わず、テレビのニュースを見ながら食事をして、お茶をすすった。
そして、お婆ちゃんの言葉は続く。
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