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「まったく!荷物もあんなに持ってこられても邪魔だよー。倉庫にしまうって言ったら、みさえ怒ってたけど、しまっちゃいまぁ!」
「お婆ちゃん、母親だと思って、堪忍してあげて。」
私がとっさに言うと
「あやかは優しいねぇ。」
そう言われてしまった。
私は、あんまり母親の悪口を聞きたくなかった。
すると、尚貴が箸を茶碗の上においた。
「尚、ごちそうさま?」
「うん。」
「そっか、気を付けて行ってくるさよ?」
「うん!」
明らかに、お婆ちゃんの時には笑顔を見せなかった尚貴は、私の返事には笑顔を見せた。
さっきの状態からも、尚貴は辛い状態にいる事が解った。
私が守らなきゃ。そう思った。
食事を終えると、一人になった私に、お婆ちゃんが近づいてきて二人で話していると。
「あやか。あんたの父さんは、本当にろくでもない人だったよ。」
父の話が始まった。
内容は、お婆ちゃんの知り合いの娘に、当時手を出した事だった。
「本当にろくでもない人だったよ。あやかは、まともな人と結婚するさよ?」
「大丈夫だよ!」
お婆ちゃんは続ける。
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