重み

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「血は争えないって言ってね。お婆ちゃん、あんたの父さんが、お母さんを嫁に下さいって言いに来た日の何日か後に、あんたのお父さんの実家をこっそり見に行ったんだよ。そしたら、玄関に物は沢山置いてあるし、小汚なくてねー。これじゃぁ、みさえを嫁には出せないわ。って思ったんだよ。良い?しっかりした人は、ちゃんと恥ずかしくないように綺麗にしてるもんなんだよ。あやかも、しっかりするさよ?」 「うん。解った。じゃぁ、将来結婚を考える人が現れたら、お婆ちゃんに見せにくるね!それで感想聞くから!」 お婆ちゃんちは、気を使って、精神的に休める場所では無かった。 その後も毎日、お婆ちゃんは尚貴に対して厳しく、それが日に日に増していった。 そんなある日、叔母夫婦がやって来た。母の姿は無かった。 「あやちゃん、頑張ってる?」 「はい。」 義叔父さんだった。 「実はねー、あやちゃんにコレ持ってきたんだよ。」 渡されたのは一冊の求人誌。 「お爺ちゃんも、お婆ちゃんも年金暮らしで、お金がないだろ?だから工場とか良いと思うんだよ!給料も良いし、寮も付いてるし!」
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