重み

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「・・・。」 言葉が出なかった。 「県外だから、なかなか戻ってこれないだろうけど、大丈夫だよなぁ?」 正直困ってしまった。 いきなり、そんな事言われても困る事しか出来ない。 すると、何も言わない私に義叔父は怒鳴った。 「じゃぁ、じいさんと、婆さんが死んでも良いんだな!?私は働きたくないから、お爺ちゃんと、お婆ちゃんの分の年金を私に下さい!そして死んで下さい!って言ってこい!!」 唖然。頭の中が真っ白になった。 今思えば、親が離婚して、母は連れていかれて、そしたら今度は県外に働きに行け。 ついていけなかったんだと思う。 全て義叔父が決めていた。 「頑張れよ!」 義叔父は、そう言って、叔母さんと一緒に帰って行った。 そして、私の中では、尚貴を守る事と、母と祖父母に死ねなんて言いたくない。 必死で、求人誌を見たり、携帯サイトから求人を探したりしていた。 この時、義叔父から期限をつけられた。 『仕事を1週間以内に見つけろ!』 私には時間が無かった。 毎日、時間があれば求人を見ては、電話して質問したりした。
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