重み

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次の日。 「お婆ちゃん、私ちょっと友達の家に行ってくる。」 お婆ちゃんに私は言った。 「良いよぉ。いつ行くだ?」 「明日の昼前には出ようと思ってる。」 「そっか!で、明日の夜に帰ってくるだか?」 ニコニコしながら言う祖母に私は言った。 「2週間くらい、帰ってこないと思う。」 「・・・そっかぃ。」 祖母の顔が変わった。 「それでね、私が友達の家に行く事、誰にも言わないで欲しいの。」 「解った。解った。」 「ありがとう。それで、私のいない間、尚貴をお願いしたいんだけど。」 「あー解った。解った。」 「ありがとう。お婆ちゃん。」 お婆ちゃんに言う前にも、尚貴にも言っておいた。 「ごめんね。お姉ちゃん、ちょっと友達の何処に行ってくる。」 「え?それって、いつ帰ってくるの?」 「・・・多分、2週間くらい。」 「・・・。」 「本当にごめんね。」 「ううん。良いよ!良いよ!」 「・・・。」 弟に罪悪感を持ちながら、私は次の日、家を出た。 祖父母の家に来てから毎日、仏壇に手を会わせて、ご先祖様にお祈りをしていた。
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