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さらに時間が経ち
私や他のお客さんにダーツで惨敗した竜はテキーラの飲み過ぎでヘベレケになっていた。
「竜、大丈夫??」
「うっす。」
ありゃ~。竜、返事がいいけど千鳥足じゃん。
完全に酔っ払いだわ。
なんて心配してると。
「竜、奥でちょっと休んでろ。」
と、店長らしく恭一が竜にいう。
竜は
「すいません。」
と、言うとフラフラとトイレの隣にある荷物置き場に行った。
調子乗り過ぎたかな?
って、テキーラのボトルかなり減ってるじゃん。
「恭ちゃん、ごめんね。竜に飲ませ過ぎたね。」
「いいって。あいつ、そんな酒弱くないし。少し休んでいれば復活すると思うし。」
「そうだよね。」
「それより陽菜は酔いが覚めたみたいだな。」
「うん。今日は負けてないからテキーラ飲んでないしね。
それにダーツに集中しないと前回みたいに竜に負けちゃうからね。竜かなり上手くなったって前回で充分に分かったし。」
「確かにあいつはダーツ上手くなったな。」
「ねぇ。最初は全然だったのに。」
「っていう、陽菜もかなり上達したな。」
「そうだね。ここに来たばっかりの時はダーツがボードに刺さりもしなかったのにね。」
「あったな。もう1年も前か。」
「そうだね。恭ちゃんが教えてくれたおかげで楽しめる範囲には上手くなったよ。
この1年、ダーツだけでなくてお酒も恭ちゃんに教わったよ。」
「確かにそんなに飲める子じゃなかったもんな。」
「可愛いかったでしょう。それが1年経つとおっさんってあだ名が付くらいの呑んべいになっちゃうんだから。人生って分からないよね。」
「確かに。でも、陽菜は素質があったんだよ。強いカクテルをこっそり出してても平気で飲んでたし。」
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