2.非日常は前触れなく

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私は今、新幹線の中にいる。 希望としては、有給とって気楽な一人旅とかに憧れるけれど、残念ながらそういうわけではない。 最後に有給とったのいつだったかななどと、記憶の海に思いを馳せつつ、手元はキーボードを叩く。 「移動時間も惜しんでするような仕事、溜まってましたっけ?」 「いや、そういうわけじゃないけど時間勿体ないなあと」 実際は間が持たないからなんだけど。 ほんとなら、気楽な一人出張の予定。 こんな気を使うことなんて必要無かった。 でも業務命令には逆らえないから、こうして片手間の会話で凌いでいるのだ。
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