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「…もしもし…」
『加奈子、大丈夫か?』
「うん。
帰らせてもらうから…」
『俺、まだ帰るまで時間かかるから、父ちゃんに迎えに行ってもらってるから。
待ってるから…
帰ってきて…』
「…仕事あるんでしょ?
いいよ、私なんてほっといても大丈夫だから。」
もう半分ヤケクソ。
私が死んだって、あなたはきっと悲しまない。
うるさい女がいなくなって、せいせいするでしょう?
私がいなくなったら、またあの女とヨリを戻せるよ。
願ったり叶ったりって、この事だよね。
『仕事は他のトラックが引き取りに行ってくれるから、もう大丈夫なん。
だから帰れる。
加奈子のそばにいるから…』
お父さんが迎えに来てくれてるのを、無碍に断るわけにはいかず、村上さんの言うとおり、お父さんの車で家に帰った。
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