第0章―プロローグ―

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この世界『ファシーア・ソーサ』は“創造神ゲネシス”によってつくられたのではないかと言われている。 そんな世界には魔法が溢れている。 そして特別なゲートを通って“魔界へリセイム”“天界ソリッド”“霊界フォリアー”へと行くことが可能である。 しかしファシーア・ソーサに住む種族である人や獣人族やエルフにはその術を知る者はいない。 それができるのは魔界、天界、霊界に住む者だけである。 ポン。 開かれていた本を静かに閉じた。 テーブルに備え付けの灯だけでは男か女か判断するのは難しい。 灯から判断できるのは閉じられた本の表紙である『世界の歴史Ⅰ』という文字だけである。 その人物が立ち上がり窓へと向かったとき風が吹き込んだ。 カーテンをなびかせ月明りが“彼を”照らした。 長髪であるが一瞬照らされた顔だちから男であると言えるだろう。 しかし直ぐに影になり髪と口元しか確認することはできなくなった。 男はしばらく窓の外を眺めてからベッドで眠りについた。
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