パン屋を継ぐもの

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ちなみに、一番上手く作れるのは今絶賛製作中のメロンパンだ。 俺はメロンパンが好きで、毎朝の仕込みの時に、自分の分を作って学校で食べるのが日課だ。 「お前もそれだけは好きだよな」 そう言って笑いながら親父が起きてきた。 俺の家は、パン屋だから当たり前だが、起きるのが早い。 多分母さんも起きてるだろう。 俺は他のパンには飽きたが、なぜだかメロンパンだけは飽きなかった。 焼き窯を見ていた俺を見て親父が 「ガキん時からメロ○パンナちゃん好きだからか?」 「ぶっ!」 思わず親父を見た。な、なぜそれを知ってるんだ!? 「だからメロンパン好きなんだろ?」 知ってるんだぞ?みたいなドヤ顔すんな! 「ち、ちげぇーよ!?俺あんまりアン○ンマン見てねぇし!そんな理由だけで納得すんなよ!?」 はい、そうです。…………なんて言えるか!言えるやつがいたら教えてくれ!いないと思うがな! 「実は…………」 少しニヤけながら話しだした。 親父、キモいから止めろ。 「『あなたが録画したアンパン○ン、あの子こっそり見てるのよ~?なんだかメロンパン○ちゃん好きみたいなのよ~。』って母さん言ってたぞ?」 「母さぁぁぁぁああああん!!!!」 なんてことを言ってんだぁぁぁぁああああ!!!!あれは親父には秘密だって約束しただろ!?だって声可愛いんだもん!!仕方なかったんだよちくしょう!!ニヤけたのはこういうことか!! 「あら、呼んだ?雄ちゃん」 と、かなり大声だったから台所にいた母さんにも聞こえたみたいだ。 だが今は来てほしくなかった!!とりあえず適当に言い訳を……
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