193人が本棚に入れています
本棚に追加
/110ページ
整列した馬上で飛耀は夏侯惇の合図を待っていた。
虎牢関を守る董卓軍を打ち破るため敵陣へ強襲をかける劉備と公孫サンを支援するためだった。
泰一と天冲を両脇に、盛明と尺卓を騎馬隊の中ほどへ配置した。
飛耀が呼吸を落ち着けていると劉備と公孫サンの騎馬隊が動き始める。
公孫サンの騎馬隊は一万ほどで十隊に分けているようだったが、動きは鈍い。
対する劉備は五百騎ほどで小さくまとまっていたが、動きを抑えている感じだった。
飛耀はあの五百の動きでこの一戦の勝敗が決まると読んだ。
こちらの動きを見て、虎牢関から董卓軍が出てくる。
先頭はこちらの先鋒を次々と蹴散らしたあの騎馬隊だった。
「呂布とか言ったか、あの騎馬隊の動きから目を離すな」
「わかってまさぁ」
「こちらに来れば、迎え討つだけです」
泰一と天冲に言い置いて飛耀自身も呂布に目を向ける。
出てきた董卓軍は一万ほどで、それとは別に二千ほどの騎馬隊を呂布が率いていた。
公孫サンの先頭が呂布に当たる。
二、三度押し合うと崩され、突破された。
崩された騎馬隊はそのまま後方へ下がり後続の騎馬隊と入れ替わる。
「無理に押しとどめず、あえて崩れるか」
「間髪入れずに当たって相手を疲れさせるつもりのようですな」
「良い考えだが、どこで止めるつもりだ。あの粘りでは勢いを殺すのは難しい」
飛耀たちはどこで仕掛けるか見極めつつも公孫サンの騎馬隊側面へ回り込んでいった。
最初のコメントを投稿しよう!