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「その必要はないだろ。お前がいなくなれば補給できなくなるからな」
男の言葉に忠布は目を見開く、その目に切っ先が映り込んだ。
指揮する者が討たれると抵抗力が弱まった。
外で待機していた尺卓達も突入してくると敵は完全に戦意を喪失した。
飛耀は剣を収め、泰一を呼んだ。
「降伏した連中をまとめろ。こちらに靡く奴は別にしておけ」
「合点でさぁ」
泰一は盛明を伴って歩き出す。
その背中に飛耀は声をかける。
「敵の大将を討っていたな。ご苦労だった」
「大将のためでさぁ、それと相手も弱っちかったんで」
頭をかきながら振り返りそう言うと泰一は歩いていった。
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