193人が本棚に入れています
本棚に追加
/110ページ
飛耀はこちらの突撃に気付いて構えようとした敵を剣で一閃した。
続く泰一や天冲もすぐ後ろにぴったりついて来ている。
飛耀たちが敵の中を突っ切ると同時に別の騎馬隊が入れ替わるように突撃して行った。
公孫サンの食客である劉備の騎馬隊だった。
最初に見た時の半数ほどだが、錐の様に鋭く呂布の騎馬隊に食い込んで行く。
この勢いを生かして騎馬隊を蹴散らそうとした時だった。
虎牢関で鐘が打ち鳴らされ、崩れかけていた呂布の騎馬隊が瞬時に後退していく。
それを追撃するべく公孫サンの騎馬隊が動き出すが、呂布の騎馬隊は簡単に振り切って虎牢関へと駆け込んでいった。
「退き際まで鮮やかだな」
「追撃する側の動きが悪いぜ」
「公孫サンの騎馬隊の練度ではまず無理だろう」
「俺たちかあの劉備とか言う男の騎馬隊なら朝飯前でさぁ」
「その言葉、他所では言うなよ」
隣の泰一をちらりと見てから飛耀は指示を出した。
「こちらも下がる。遅れるなよ」
飛耀は馬腹を蹴った。
最初のコメントを投稿しよう!