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「兄貴、俺は反対だぜ。こんな流れ者を村に入れるなんて」
陳が飛耀をにらみつける。
「あまり歓迎されているようではないみたいだな」
飛耀は肉を食べるのをやめ、孝を見やった。
「何度か傭兵を雇ってみたりもしたが逆に荒らされたのでな」
「なるほど」
肩をすくめる孝に飛耀が頷く。
「しかし、お前はそういう奴らとは違うという気がする。あくまで俺の勘だが」
「同じかもしれんぞ」
「そういう事を言うやつの目には見えないのだがな」
孝が飛耀の目を見つめる。吸い込まれそうになる目だった。
飛耀の目からふっと力が抜けた。笑ったという事に孝は気づいた。
「わかった。黄巾の奴らを追い払うのを手伝おう」
飛耀はそう言って立ち上がった。
「待て、俺はお前が来る事に反対だ」
飛耀の前に陳が立ちふさがった。
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