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「備えはしておくものだぞ、泰一」
盛明は涼しい顔で言う。
飛耀はもう一度振り回してみる。
「隠し持つには確かにちょうど良い大きさだ」
盛明に手渡しながら飛耀は感心した。
「では、とりあえずこれをお持ち下さい。試作品ですが」
盛明は受け取った双節棍とは別の双節棍を取り出した。
棍の先端部に鉄環が付けられている。
「少し重いですが、威力は上がります」
「いろいろと考えるものだな」
「飛耀殿の役に立ちたいだけですよ。私も泰一も」
双節棍を懐に入れる飛耀に盛明は笑った。
「頼もしい奴らだ。そろそろ見回りに行ってくる」
飛耀は盛明の営舎を後にした。
「おい、俺にも何かないのか?」
その後ろで泰一が盛明に詰めよっていた。
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