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「ココ、ココーっ!」
バタバタと走って僕に駆け寄るトト。
僕は耳が聞こえなくても気配や、感覚で近づいてきてるのがわかる。
トトは僕の肩を叩いてこちらを向かせる。
「ココ、ちょっと買い物に行ってくれないか?」
「…いいけど、何を買ってくればいいの?」
僕はメモを出し、トトの口元を見る。
「ケーキと、鳥の餌と、いつもの雑誌」
「ケーキと、鳥の餌…いつもの……いつもの何だっけ?」
打点等が入る言葉は難しいから、時々不安になる。
「ケーキと、鳥の餌と、いつもの雑誌と、絆創膏」
………増えてる。
「ケーキと、鳥の餌と、いつもの雑誌と、…絆創膏?」
念のため聞き返す。
すると…
「違う違う。
ケーキと、鳥の餌と、いつもの雑誌と、絆創膏と、紅茶の葉」
また増えた…
「ケーキと、鳥の餌と、いつもの雑誌と、絆創膏と、紅茶の葉…ね…」
メモをとり終わり、確認のためトトに見せる。
だがトトは何かを書き足した…
嫌な予感…
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