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「なぁ、あんま人来ねぇのな。」こんな事言って両親に失礼だとは思ったが、さすがにこれだけ参列者が少ないと口に出さずにはいられなかった。
朝からこの場に居るが、学校の奴等を見た記憶はない。
「あぁ、
由宇いじめられてたから。」
「え?」
淡々と発した綾乃のその姿に、少し寒気を感じた。
「結構キツいいじめにあってたみたいでね、1年くらい前かなぁ。私が由宇を助けて、
それからはいじめも無くなったみたいだけど。
友達、私しか居なかったみたいだよ。」
そこまで言って、綾乃は吐き捨てるように笑った。
「そういえば…春と付き合ってるて事も、俺等しか知らんかったもんな。」
いかにも、言われてみれば、という風に俺は言ってみた。
「うん、もう私以外の誰も信じてなかったみたい。」
そう言って、綾乃はまた笑う。
「そっかぁ。綾乃すげぇ協力的だったもんな、春と由宇に対して。相談とかいっつも乗ってたし。」
「……春は幼なじみだからね…。なんでも解るのよ、春の事なら……。」
優しく、そして不気味に綾乃は笑う。
「……由宇は知ってたの?」
カマを掛けてみる。
「なにを?」
「春と綾乃が
前、付き合ってた事。」
綾乃の笑みが一瞬で驚きへと変わる。
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