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咳払いのあと、やせ型の男が尋ねた。
「ではまず、矢野居春さん。由宇さんの恋人と聞きましたが…」
「あ…はい僕です…」
黒髪の細身、片方に流した前髪のせいで左目が隠れている。
いきなりの指名に戸惑いながら、春は前のめりに体を動かした。
「確か今日はデートのはずでしたよね。クリスマスですし。何時頃から一緒だったんですか?」
どこで調達したのか、すでにある程度の捜査は進んでるようだ。
「えと、朝の10:00から僕の家でゲームとかしてました。大雨で外には行けなかったし…」
「ではずっと一緒だったんですね。」
「あ…それが…途中で喧嘩をしてしまって…」
「喧嘩?理由を聞いても?」
「え…えと……」
春は顔を伏せてしまった。
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