◇◇ 第2章 出逢い ◇◇

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「これは社長のカップで、コーヒーは、砂糖1杯にミルク。これは専務のカップで、コーヒーは砂糖2……」 村上さんは、コップを並べながら、次々とそれぞれの好みをメモも見ずに伝えていく。 あたしはメモを取りながら、またまた不安が頭をよぎってゆく。 社内のみならず、会議の時に支店からもやって来る上司の好みまで……総勢15名。 それ以外にも、来社されるお得意先の好みまで、しっかり記憶に留めている…… いつの日かあたしにこれがやれるのだろうか……と思った瞬間、 「大丈夫だからっ」と、またまた村上さんのフォローが入った。 「桜井さん、かなりわかりやすいんだからっ」 あぁ~また、顔に出てしまってる……先が思いやられるわ。
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