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「えっ!?」
あたしが、ここに来てから、ずっと、あたしの居場所として使わせていただいていた机が、なぜか寛げた椅子が、和也さんの愛用していた物だったなんて……
次から次へ、驚きの連続で、声もまともに出ない。
「ふーん。そっか……」
すべてを理解した和也さんが、机をゆっくり撫でながら、優しい微笑みをくれた。
「それは、仕事がさぞかし、はかどっただろう?」
和也さんが、ニヤリとあたしに笑いかける。
「もちろん、はかどったわよねぇ、璃子ちゃん」
和也さんの言葉に、薫さんが冷やかすように返す。
薫さんまで、そこでツッコミいれますか!?
あたしは、未だ冷めやらぬ驚きと、気恥ずかしさに照れながら小さく頷いた。
周りには、自然と、笑顔と穏やかな空気が生まれた。
そうだったんだぁ……
あたしは、和也さんに、ずっと見守られていたんだ……
認識すればするほど、じわじわと、身体中に温かな温もりが広がってゆく。
次々に起こるサプライズに戸惑いを隠せないまま、でも、少しずつ喜びを理解してゆく自分がいた。
ピンポーン♪
「いらしたわっ」
薫さんが、うれしそうに微笑みながら、和也さんに目配せをする。
新たなお客様の訪問に、あたしは、お部屋の端に避けた。
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