◇◇ 第50章 クリスマスの奇跡 ◇◇

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「和也さん……?」 ゲンさんを紹介しようと、声をかけようとした時だった…… 「お祖父様、ご無沙汰しておりました」 和也さんは、そう言うと、ピシッと頭を下げた。 えっ……!? 「相変わらず、お元気そうで何よりです」 「あぁ、和也。 ニューヨークでは、見事な仕事ぶりだったと報告を受けているよ」 あたしの横で、ゲンさんが、答える。 「ありがとうございます」 和也さんが、少しだけ微笑みを浮かべてお礼を言った。 お祖父様……って……!? ええっ……!? あたしは、この状況を、すぐには理解出来ず、ふたりの間で呆然と立ちすくむ。 左手を添えたまま、あたしは、ふたたびゲンさんと見つめ合う。 半ば、放心状態で、目を見開いたままのあたしに、ゲンさんは、いつも通りに微笑んだ。 「私の孫なんだ」 ゲンさんから発せられた言葉が、フリーズしたあたしの頭の中に響く。 う……そ……!? それって……それって!? 驚きで、思考のまとまらないあたしをよそに、ゲンさんは、ゆっくりと微笑むと続けた。
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