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和也さんは、なおも力強く答える。
「私の人生のパートナーは、彼女以外には考えられません」
あたしは、ジッと固唾を飲んで、ふたりを見つめ続けた。
「お前は、これから隼人と一緒に、渡グループを背負う人間だ。
これから、まだまだ幾多の試練や苦難が、襲いかかる事だろう。
その苦しみが、これからは、お前ひとりで堪え忍べば、済むというものではなくなるんだよ……
結婚とは……そういうものだよ。
だからこそお前は、人一倍、事の重大さを理解しなければいけない。
ひとりの女性の人生を担うという……その覚悟が出来ているのかい?」
ゲンさんは、まっすぐな眼差しを和也さんに向けながら、男の決意を確認しているようだった。
「はい。もちろんです」
和也さんのまっすぐな決意が、静けさを打ち破る。
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