◇◇ 第50章 クリスマスの奇跡 ◇◇

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「あの日、璃子ちゃんの口から、あの言葉が出てきた時は、本当に驚いたよ。 妻にプレゼントしていた言葉が、数十年の時を経て、私の元へ戻ってきたんだからね。 それも、孫の和也の大切な女性である、璃子ちゃん、キミの言葉を通じて……ね。 ありがとう、璃子ちゃん」 まさか、和也さんからいただいた大切な言葉が、ゲンさんとあたしを繋いだなんて…… 驚きでいっぱいのあたしの心の中に、溢れんばかりの愛が広がった。 「和也は、私の自慢の孫でね。 ぜひ璃子ちゃんと一緒になりたいと言っているのだが…… どうだろうか? 承諾してもらえないだろうか?」 昨日から続く、これでもかと、言うほどのサプライズの嵐…… 信じられないくらいの、奇跡が舞い降りた気がした。 こんな日が、来るなんて…… あたしは、幸せを噛み締めるかのように、静かに瞳を閉じた。 そして、ゲンさんの右手を握り返し、ゆっくりと瞳を開き、そして伝えた。
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