◇◇ 第50章 クリスマスの奇跡 ◇◇

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「あたしでよろしければ、ぜひ、和也さんのおそばに居させてください」 ゲンさんの右手に、ギュッと力が入る、交わす眼差しは温かく、優しかった。 「和也、璃子ちゃんを頼んだぞ」 「お祖父様、ありがとうございます」 やっと、少し穏やかな表情に戻った和也さんが、お礼を言った。 「……ありがとうございます」 あたしも続けて、ゲンさんにお礼を言った。 驚きと、緊張と、喜びと…… 雪崩のように押し寄せる衝撃に、心がうまく片付かない。 そんなあたしを察したのだろう、和也さんが、あたしの肩を抱き寄せ、優しく包んだ。 「璃子ちゃん、ひとつだけ条件があるんだ」 「……」 ゲンさんの言葉で、あたしの全身に、また一瞬で緊張が駆け抜けた。 あたしとは対照的に、ゲンさんは、微笑みを浮かべて言った。 「これからも、私とは、今まで通り友人のゲンさんとして付き合ってくれる事! お願いできるかな、璃子ちゃん」 ……そんなこと! 薫さんと、時田さん、房子さんが、フッと一斉に微笑む。 あたしの胸の中に、再度、温かな愛が駆け抜けた。 「……ぜひ、喜んで」 周りの空気が、一気に和らぎ、まるで、キラキラと星が瞬くように、温かな笑顔が広がった。
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