◇◇ 第50章 クリスマスの奇跡 ◇◇

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ピンポーン♪ その時、タイミング良く呼び鈴が鳴った。 「私が」 時田さんが、そっと部屋を出てお迎えに行く。 一瞬、ホッとした空気に包まれたあたしは、深呼吸して心を落ちつけた。 すぐに、応接室の扉が開く。 「こんばんは。今宵は、お招きいただきましてありがとうございます」 スマートな身のこなしの隼人さんが、冴子さんと共に現れた。 部屋に入った隼人さんは、一瞬で、あたしの様子と空気を感じたようだった。 「私としたことが、1番良いシーンを見逃したようですね」 ニヤリと笑って、あたしと和也さんの様子を窺う。 「いや、これ以上ない、ベストタイミングだ。邪魔されなくてよかった」 和也さんが、笑みを浮かべながら答えた。 「大おじ様、ご無沙汰しておりました」 隼人さんは、瞬時にモードを切り替え、ゲンさんに挨拶をする。 「隼人、久しぶりだな。 いろいろと面倒かけて済まないな」 「とんでもございません」 「慌ただしいだろう?」 「いいえ。 いろいろと、問題を片付けていただき、おかげさまで、やり易くなりそうです。俄然、やる気が出てきました。 新たに、評判の専務も帰国して、やっと新体制で、本格始動出来そうです」 隼人さんは、いつもの涼しげな微笑みを浮かべた。
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