36567人が本棚に入れています
本棚に追加
「そうか、それなら安心だな」
ゲンさんは、ハハハッと声を出して笑った。
「冴子さん、こんばんは」
「大おじ様、こんばんは」
ゲンさんは、今度は冴子さんに、ゆっくりと歩み寄って話しかけた。
「おめでとうと、言ってもいいかな?」
「はい。ありがとうございます」
えっ!?おめでとうって……何!?
あたしは、思わず冴子さんを見た。
「妻としての裏方の支えは、働く男にとって、とても重要だ。隼人の事を頼むよ」
「はい。もちろんです、大おじ様」
えっ!?……妻ってことは!?
「それと……」
ゲンさんは、驚きっぱなしのあたしに、一瞬、視線を向けて続けた。
「出来れば、璃子ちゃんの事も頼むよ。社長と専務の妻には、表に見えない部分で、ヤることがたくさんだからね」
「ええ、もちろんですわ。璃子には、彼女の良さを十分に発揮してもらうつもりです。
今後は、私がビシバシと鍛えさせていただきます」
「あぁ、それは、頼もしいね。よろしく頼むよ」
「ええ。大おじ様のご意向は、しっかり、承りました」
ゲンさんは、冴子さんと会話を交わすと、今度は、ゆっくりと視線をあたしに向けた。
最初のコメントを投稿しよう!