◇◇ 第50章 クリスマスの奇跡 ◇◇

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「璃子ちゃん」 「はい」 「キミなら、きっと大丈夫。 璃子ちゃんは、周りの人達を、幸せへと導く事が出来る人だからね。 和也の事、頼んだよ」 「……ありがとうございます」 ゲンさんの言葉は、あたしに、自信と、勇気を与えた。 「皆様、お食事といたしませんか?」 房子さんが、明るくお声をかける。 「では、いただこうかね」 ゲンさんを筆頭に、広いダイニングへと移動する。 あたしは、冴子さんに近づいた。 「あの、冴子さん……」 あたしの表情から、察した冴子さんが、先に言った。 「先日、隼人と、婚約したの。長すぎた春も終わりってところね。挙式は、来秋の予定なの。でも、まだ内緒よ」 「うわぁ!おめでとうございます」 思わず、うれしくて、あたしは感嘆の声をあげた。 すぐに横から、隼人さんが、口を挟む。 「ありがとう、璃子ちゃん。 ビッグカップルだからね、いろいろと準備と調整に時間がかかってね」 「自分でビッグとか言うか?」 隼人さんに、すぐさま和也さんがツッコミを入れた。 確かに……グループの社長の隼人さんと、北川財閥のご令嬢との結婚は、想像を絶するほどの下準備がいるはず。 「お忙しくなりますね」 「あぁ。でも、仕事の方は、デキる男が帰国したからね、そいつに任せておけば大丈夫! 璃子ちゃんも、サポート頼んだよ」 隼人さんは、いつもの涼しげな眼差しで、答えてくれた。
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