◇◇ 第3章 ふたりの時間 ◇◇

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「明日、営業会議だねっ」 不意に声をかけられて驚いた。 「あっ、朋美ちゃん」 「仕事どう?うまくいってる?」 「うーん。朋美ちゃんはどうよっ」 反対に聞いてみる。 「結構いい男が多くてさ、毎日食事に誘われてたまんないわっ」 彼女らしい…… あたしもこのくらい楽観的なら、きっと幸せなはず。 「そうなんだ。朋美ちゃんはモテるからねっ」 「でもさぁ~明日は営業会議でしょ~!各支店の営業さん集まるから、楽しみ~♪」 「そうね……」 ダメだついていけない…… 「璃子はどうよっ!営業の足立さんとか坂本さんとかが、食事に行きたいって言ってたよ~」 「あっまだ、仕事だけで手一杯だから、遠慮しとくよ」 「そんなこと言ってたら、あっという間にお局になっちゃうよっ。まぁ、璃子がその気になるまでに、あたしが探しといてあげるからっ、まかせといてっ」 「うん……ありがとう」 頼りになるのかならないのか……とはいえ彼女らしい生き方に妙に納得してしまった。
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