◇◇ 第3章 ふたりの時間 ◇◇

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明日が会議とあって、遠方の支店の営業も続々と前日入りしてきた。 「あっ!君、今度入った新入社員?」 なんて声をかけられては、 「はいっ桜井璃子です。よろしくお願いいたします」 と、幾度となく挨拶していた。 すると松本部長から声がかかった。 「桜井、社外に出るからそのままついてこい」 「……社外ですか?」 あたしは、宮前さんと目を合わせた。 「松本部長、桜井さんをどこへ連れていかれるおつもりですか?」 宮前さんが尋ねる。 「書類とりに行くから、貸してくれっ。桜井そのままついてこい」 二度も言われては……と言うわけで、とりあえず黙ってついて行った。
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