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初めて降りた、本社地下駐車場。
さすが、高級車が整然と並んでいる……
感動しながら部長の後ろをついて歩いていると、黒の高級車が点滅した。
「どうぞ」
「お邪魔します……」
なかなか乗ることのない高級車に、なんだかお屋敷に上がり込むような感覚を覚えた。
「助手席よろしいんですか?」
なんて、ちょっと空想彼女に気を遣ってみた。
「大丈夫だよ。彼女は、いないから」
へぇ~意外……
「今、俺の事遊び人って思っただろう?顔に出てるぞ」
「あっ、いえっ……ただ部長なら、いてもおかしくないな……とか……いないとおかしいと言うか……」
ダメだ!口を開けば開くだけドツボだ。
「まぁ~いいよっ。行くぞ」
笑いながら松本部長は車を発進させた。
緩やかに自然に車が加速していく。その意外に穏やかな運転にあたしは驚いた。
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