◇◇ 第3章 ふたりの時間 ◇◇

7/17

33591人が本棚に入れています
本棚に追加
/1091ページ
初めて降りた、本社地下駐車場。 さすが、高級車が整然と並んでいる…… 感動しながら部長の後ろをついて歩いていると、黒の高級車が点滅した。 「どうぞ」 「お邪魔します……」 なかなか乗ることのない高級車に、なんだかお屋敷に上がり込むような感覚を覚えた。 「助手席よろしいんですか?」 なんて、ちょっと空想彼女に気を遣ってみた。 「大丈夫だよ。彼女は、いないから」 へぇ~意外…… 「今、俺の事遊び人って思っただろう?顔に出てるぞ」 「あっ、いえっ……ただ部長なら、いてもおかしくないな……とか……いないとおかしいと言うか……」 ダメだ!口を開けば開くだけドツボだ。 「まぁ~いいよっ。行くぞ」 笑いながら松本部長は車を発進させた。 緩やかに自然に車が加速していく。その意外に穏やかな運転にあたしは驚いた。
/1091ページ

最初のコメントを投稿しよう!

33591人が本棚に入れています
本棚に追加