◇◇ 第3章 ふたりの時間 ◇◇

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「いらっしゃいませ、松本様。ようこそおいでくださいました」 気持ちのよいウェイターの挨拶。まるでお姫さまにでもなったかのような出迎えだった。 「こちらへ……」 通された席は、間違いなくこの店で1番良い席…… 個室な上に、目の前には綺麗な園庭が広がっていた。 「わぁ~素敵……」 思わず言葉がもれる。 「そう。気に入ってくれてよかった」 松本部長は穏やかな笑顔でいった。 その端正な顔立ちと、澄んだ瞳に……思わず目が釘付けになった。 これがデートなら連れて来られた子は、間違いなくイチコロだろう。 危ない、危ない…… ……危ない!? あたしまでもが勘違いしちゃうところだった。松本部長とあたしは、そんな関係ではない。 といいながらも、あたしはその大人の男の立ち振舞いにすっかり引き込まれていた……
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