◇◇ 第3章 ふたりの時間 ◇◇

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「お待たせいたしました」 まだ、注文もしていないのに、前菜が運ばれてきた。 「好き嫌いないって言ったから、お任せにしたぞ」 ひぇ~スマート!紳士だわぁ~!すっかり感動している。 「どうした?」 「えっ!?だって素敵過ぎです!あたしは、部長みたいな大人な男性と初めて食事するので、初めてづくしで驚いてます」 あれ、あたしったらモテない子みたいじゃん…… 「クスッ、お前って本当にわかりやすいし、素直だなっ」 「あっ松本部長笑いましたね!あたし真剣なのに」 「ごめんごめん」 「部長ダメですよ!若い子からかっちゃ。でも、これは……みんな惚れちゃうでしょ?」 暫くの沈黙…… あたし、何か悪いこと言った? ただ、じっとあたしを真っ直ぐ見つめる松本部長の瞳に、目が逸らせなくなる。 「惚れたか……?」 「えっ!?」 心臓が……また、トクンッて鳴った。
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