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「お待たせいたしました」
まだ、注文もしていないのに、前菜が運ばれてきた。
「好き嫌いないって言ったから、お任せにしたぞ」
ひぇ~スマート!紳士だわぁ~!すっかり感動している。
「どうした?」
「えっ!?だって素敵過ぎです!あたしは、部長みたいな大人な男性と初めて食事するので、初めてづくしで驚いてます」
あれ、あたしったらモテない子みたいじゃん……
「クスッ、お前って本当にわかりやすいし、素直だなっ」
「あっ松本部長笑いましたね!あたし真剣なのに」
「ごめんごめん」
「部長ダメですよ!若い子からかっちゃ。でも、これは……みんな惚れちゃうでしょ?」
暫くの沈黙……
あたし、何か悪いこと言った?
ただ、じっとあたしを真っ直ぐ見つめる松本部長の瞳に、目が逸らせなくなる。
「惚れたか……?」
「えっ!?」
心臓が……また、トクンッて鳴った。
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