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とはいえ、しっかりご馳走していただき、お店を後にしたあたし。
帰り際に更科さんが、投げキッスを飛ばしながら言った。
「君の為ならいつでも席を用意するから。またおいで、未来の松本さん」
更科さん……誤解しすぎですよ。
「ごめんなっ、桜井」
ふと運転席の横顔を見る。ふざけた感じではなかった。
「いいえっ。楽しい時間が過ごせました。部長は、いいお友達がいらっしゃるんですね」
「ありがとう」
嬉しそうに笑う横顔に、また見とれてしまった。
「あっ、ご馳走さまでした」
あたしは、すっかり遅くなったお礼を言った。
「また行こうなっ」
さりげなく言う松本部長に……社交辞令とはいえ、心地よさを感じた。
「はいっ。ありがとうございます」
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