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夕方4時ちょっと前。
トゥルルル……トゥルルル……と内線が鳴る。
電話を受けた山口さんが、『わかりました』と返事をして受話器を置いた。
「璃子ちゃん、そろそろ3人とも会議室に来るようにって」
「はいっ、もうそんな時間ですね」
「フロアーに上がったら、しっかり可愛がってもらいなさいよ。それと、最後に……時々は休み時間に顔見せる事。以上、さぁ、いってらっしゃい!」
母親のように優しい山口さんの言葉に、一瞬ウルッとくる。
いったい今まで何人の新入社員を預かってきたのだろうか?
「はいっ、がんばります。ありがとうございました」
彼女の愛情溢れる言葉に、込み上げてくるものを堪えながら、精一杯返事をした。
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