◇◇ 第2章 出逢い ◇◇

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夕方4時ちょっと前。 トゥルルル……トゥルルル……と内線が鳴る。 電話を受けた山口さんが、『わかりました』と返事をして受話器を置いた。 「璃子ちゃん、そろそろ3人とも会議室に来るようにって」 「はいっ、もうそんな時間ですね」 「フロアーに上がったら、しっかり可愛がってもらいなさいよ。それと、最後に……時々は休み時間に顔見せる事。以上、さぁ、いってらっしゃい!」 母親のように優しい山口さんの言葉に、一瞬ウルッとくる。 いったい今まで何人の新入社員を預かってきたのだろうか? 「はいっ、がんばります。ありがとうございました」 彼女の愛情溢れる言葉に、込み上げてくるものを堪えながら、精一杯返事をした。
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