◇◇ 第3章 ふたりの時間 ◇◇

16/17
28788人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
もう一ヵ所取引先を回って帰った為、会社に着いた頃には辺りはすっかり暗くなっていた。 車は、会社の正面玄関に横付けされた。 「俺は、駐車してくるから、先に上がってろ。あと、もう帰っていいからなっ」 「はいっ」 返事をして車を降り、バタン!とドアを閉める。 すると、スーッと助手席の窓ガラスが下がった。 「桜井……さっきの。本気で考えといて……」 さっきの?……さっきの? えっ……何? もしかして……彼女の話? びっくりしたあたしを見ながら 部長は、いたずらっ子のように「クスッ」と笑った。 あっ、からかわれた! 気づいた時にはすでに遅し。白い肌を真っ赤に染めたあたしが出来上がっていた。 「お疲れっ。また明日なっ」 あたしは、走り出す車を見送った。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!