「立花先輩、あそこ。吉村の合図です」
「ホントね、行きましょうか」
とりあえず、吉村が無事なのを知ってほっとする律。逢初も一緒だといいが……。彼には後先考えない所が有る。それは勇猛果敢とも言えたが、人間を、赤子の手を捻るように殺す星人達との戦いにおいては、ただの無鉄砲だ。律は焦燥感を覚えながら立花と彼女の居る場所を目指した。
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「なんだってんだよ……」
「逢初」
するりと耳に入ってくる穏やかで凛とした声は律の物だ。逢初が声のした方向を見やれば、案の定、ざっくばらんな髪をした、背の低い猫のような美少女がこちらに来ていた。
「日比谷……どう思うよ。この装備、今殺した巨人星人の中から出てきたんだ。兵士……が着けてるように見える」
「……確かに。こんな技術は見たことが無い」
「逢初きゅうぅん! 無事だったのねェ!!」
「いてェ!! 死ぬ! 死ぬ!」
立花はベンチプレスで百キロを余裕綽々で上げる。握力は九十を超え、勿論シックスパックだ。
そんな絵に描いたようなムキムキマッチョな二十一歳男性にガンツスーツを着て全力で抱き締められれば、圧力は大変なものである。
「げほっ……先輩、巨人の握力並ですよ……」
「あらぁ、捕まった事があるのかしらん」
「えぇ、さっき捕まりましたよ。吉村に助けられましたけど」
「はろはろちっすです、センパイ」
「噂をすれば、ね」
「なになにー何の話?」
ダンッ、と吉村が三人の近くに着地する。返り血塗れでなお呑気そうな吉村に、律がじとりと目を向けたのを、立花は見逃さなかった。
「律きゅんが拗ねてるだけよ」
「拗ねてねえ。それより逢初、お前また……」
「いや、無茶してねぇよ? 気付かんかっただけで」
「馬鹿」
「まぁ、ちゃあんと私が助けたしね。もーまんたーい」
「お前は何してたんだ」
「点数稼ぎ」
律の詰問を飄々と交わす。この二人の剣呑さにも、もう慣れたものだ。
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