黒くて白くて灰色の俺

プロローグ

此処は異世界アルティマ。

この世界は約三百年前に各国の国王率いる人間族と神王率いる天族と魔王率いる魔族が同盟を結んだ事で戦乱の世が去って平和な世の中になっている。

今日も世界の様々な場所でギルドのメンバーが魔物を倒して生活費を稼ぎ、魔物が弱肉強食の世界で生きていて、店を開く人々が商品を仕入れて、兵士の人々は訓練に励む。

でも俺には関係無い。

「お兄ちゃん！早く起きないと遅刻しちゃうよー！？」

ドアの向こうから妹の声が聞こえてくる…確かにそろそろ起きないとな。

ベッドの掛け布団を退かしてのそりと起き上がる。

今日も今日とて俺の一日が始まる。

俺の名前はソウマ・ジャッカーだ。

この剣と魔法が一般的に使われているアルティマの世界の住人にしてジャッカー家の長男。

着替えると部屋から出て、リビングに行くために階段を下りていく。

リビングでは朝食を摂っている父さんのグローヴ・ジャッカーと妹であるミーシャ・ジャッカーが居た。